≪四月の詩≫ 光といっしょに 新川和江『いつもどこかで』


 光といっしょに


 みどりの森には
 止まりごこちのよい枝も
 かあさんが えさをはこんでくれる
 あたたかい 巣もあるけれど

 はじめてきく すてきなうたが
 早くおいで 早くおいで!
 と空のおくから
 小鳥をしきりに 呼ぶのでしょうね

 あのうたを
 風といっしょにうたってみたい
 光といっしょにうたってみたい

 そう思って
 いっしょうけんめいとんで行く小鳥は
 じぶんでは見えないけれど
 空のなかで
 キラリ つばさがうつくしくかがやくの

 かぜきりばねがつよくなって
 とおい国へも
 とんで行けるようになるの